院長の髙木です。
美味しい食べ物も多い季節ですが、日々の食事、健康には十分留意したいですね。
私も40歳を過ぎたころから、食生活にはとても気を遣うようになりました。
添加物が多い食品(PH調整剤、リン酸塩、亜硝酸Na等)、トランス脂肪酸(ショートニング・マーガリン)、加工肉など挙げればきりがないですが、体に良くないものは極力食べないようにしています。
さて、先日新聞で「がんと食生活」について書かれたコラムがあったのでちょっとご紹介します。
以下は東京大学病院准教授 中川 恵一氏の記事からの引用です。
「極端な菜食主義はがんの予防でもマイナスです。では、どんな食事が理想的なのでしょうか?
まず、塩分を控えることで胃がんの危険が減ります。特にピロリ菌の感染がある人が、イクラ、塩辛、練りウニといった「塩蔵品」を摂り過ぎると、胃がんのリスクが高まることが分かっています。
次に、野菜・果物は、食道がんをほぼ確実に減らします。野菜・果物はできるだけ毎日食べましょう。
野菜を小鉢で5皿分と果物1皿分を毎日食べれば十分です。とりわけ、ブロッコリーやキャベツなどアブラナ科の野菜にがんの予防効果があるというデータが集まっています。日本人のデータでも、胃がんや大腸がんになった人たちはブロッコリーを食べない傾向がありました。
私は猫舌ですが、熱い飲み物や食べ物を冷やさないで口にすることは、食道がんのリスクを高めます。またハムやソーセージなどの加工肉や、牛などの赤肉は大腸がんのリスクを上げることが国際的に知られていますが、日本人の場合は肉の摂取量が限られており、心配はまず要りません。
肉や魚などの焦げには、ヘテロサイクリックアミンなど発がん性のある物質が微量ながら存在します。しかし、普通の食生活の中で焦げを食べても、がんができやすくなる心配はまずありません。なお、大根おろしに含まれる酵素が焦げの発がん物質を分解することがわかっています。
逆に魚に含まれる「魚脂」が心筋梗塞のほか、大腸がんや乳がんを防ぐ可能性があります。また、味噌や納豆などに含まれる「大豆イソフラボン」が乳がんや前立腺がんを防ぐというデータもあります。肉ばかりでなく、魚や大豆も含めてバランスよくたんぱく質をとることが大切です。1960年、75年、90年、2005年の日本人の平均的メニューを用意し、実際に調理したものを粉末化してマウスに8か月間食べさせた実験があります。その結果、75年ごろのメニューを食べたマウスが一番長生きで、がんも少なかったことが分かりました。
75年当時の食事は伝統的な和食に肉や卵がプラスされ、理想的なバランスが得られました。これが日本人の長寿化に大いに貢献したはずです。」
やはり魚は良いんですね。野菜をきちんと食べて、偏りのないバランスのとれた食生活を心掛けたいですね。