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TOPNEW INFO 最新のお知らせ > インプラント周囲病変について

2013.04.02 : インプラント周囲病変について

4月に入りました。今日もあいにくの雨・・東京の桜も今週一杯ですね。

WBCの熱も冷めぬまま、3/31(日)に東京ドームに「巨人-広島戦」を観戦しにいってきました。年に数回東京ドームのシーズンシートで観戦する機会があり、昨年も開幕戦を観にいきましたが、もう1年・・月日の流れは早いですね。

この日は今季初登板の前田投手と内海投手の投手対決でした。実際にマエケンさんを見るのは初めてでしたが、すばらしい投手ですね。
結局延長11回で巨人のサヨナラ勝ちでした。最後は期待通り慎之介選手の大きな当たりで試合終了。
また、この日は「阪神-ヤクルト戦」でスーパールーキーといわれる藤浪晋太郎投手の公式戦初先発もありましたね!開幕3試合目の先発デビューとは驚きです。

さて、今日の午後は昨年インプラント周囲炎のため、インプラント体を撤去し、GBRを行った患者様の再インプラント埋入のオペがありました。

30年以上前に海外でインプラント治療を受けられ、右下6部のみ重度のインプラント周囲炎になりました。

CTでみるとインプラント周囲の骨が完全に喪失してしまっています。

クロスセクション像です。

撤去したインプラントです。
撤去時にGBR(骨再生誘導療法)を行い、後に骨ができてからインプラントを埋める2回法(staged approach)を予定しました。

GBR後骨が十分に再生しています。

そして本日理想的な位置にインプラントが埋入されました。

そこで今回はインプラント周囲病変のお話です。
ブローネマルク博士によるオッセオインテグレーテッドインプラントが臨床応用されてすでに40数年が経ちますが、これまでにさまざまな改良が重ねられて、現在高い成功率が示されています。
しかし、長期的な観点からはインプラント・ユニットの緩みやインプラント周囲炎に代表されるインプラント周囲粘膜病変などが増えているのも事実であり、とくにインプラント周囲炎はインプラント治療の合併症の中で最も頻度の高いものとされています。

インプラントの周囲の炎症はインプラント周囲への感染(生物学的問題で生じる)と、負担過重など(生体力学的問題で生じる)によるものに分けられます。
インプラント周囲炎は進行程度により、
   インプラント周囲粘膜炎(peri-implant mucositis):インプラント周囲粘膜に炎症が限定されており可逆性
   インプラント周囲炎(periimplantitis):インプラント支持骨まで炎症が波及し、進行性の骨吸収を伴い非可逆性
に分けられます。

その原因としては、
  ・ 不十分なセルフケア
  ・ 上部構造物の形態
  ・ アバットメントの不適合
  ・ アバットメントスクリューの緩み
  ・ アバットメントスクリューの破折
  ・ アバットメントの破折
  ・ フィクスチャーの破折
  ・ 合着セメントの残留
などが挙げられます。
当院では予防策としてとくに補綴物のデザインに関しては非常に予後に影響するため慎重に決定して治療を行っています。

インプラント周囲粘膜炎は1980年代には20%以上の出現率とされていましたが、最近は口腔衛生の概念の普及や清掃指導、プラークの付着しにくい上部構造の形状や構造の改良により、減少しているといわれています。インプラントの粘膜貫通部周囲に角化付着粘膜がなく、可動粘膜に囲まれている場合に発症しやすいことが挙げられます。
アバットメントを外した際に歯石が付着していることも多く、清掃して戻しても再発しやすいため、承諾のもと、遊離粘膜移植などを行い、再発防止を行うこともあります。

一方、インプラント周囲炎は、インプラント体表面に細菌性プラークが付着すると、粘膜下結合組織に炎症性細胞浸潤が生じて、上皮細胞に潰瘍やびらんなどが起こります。
細胞間接着が粗造化し、浮腫状となり、プラークが根尖方向へ侵入しやすくなります。こうなると、エックス線所見で骨が破壊された像が出てきます。この炎症は、天然歯周囲の歯肉と比べて、インプラント周囲粘膜は血管が少なく、コラーゲン線維の構成比が異なることや、インプラント周囲粘膜溝と天然歯歯肉溝での防御機構の違いなどが原因となり、天然歯よりも進行しやすくなるといわれています。
また、歯周病の既往のある方に発症しやすいとされおり、歯周病病原因子がインプラント周囲に伝播されるといわれております。

インプラント周囲炎の分類
軽度     PD≧4mmかつ骨喪失<インプラントの長径の25%
中等度    PD≧6mmかつ骨喪失<インプラントの長径の25~50%
重度     PD≧8mmかつ骨喪失<インプラントの長径の50%
  ※PDはProbing Depthの略でインプラント周囲の粘膜の溝の深さを計測した値のこと

当院でインプラント治療を受けていただいた後のメインテナンス時には
視診によるチェック
動揺のチェック
周囲粘膜の触診
PD(インプラント周囲の粘膜の溝の深さを計測した値)
BOP(インプラント周囲の粘膜の溝の深さを計測した際の出血の有無)
エックス線診査
噛み合わせのチェック
を必ず行っています。

当院では随時インプラント無料カウンセリングを行っております。是非お気軽にご相談下さい。
                            院長 髙木謙一(ICOI国際口腔インプラント専門医学会米国認定医・同日本支部役員)



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