インプラントの手術が続いております。
本日午前中のインプラント手術は左下5部の「抜歯後即時埋入」のケースでした。
術前
保存不可能な残根を抜歯
抜歯と同時にインプラント埋入
骨補填材料を填入
歯肉を縫合
埋入時パノラマエックス線所見(※上顎も当院で治療)
インプラントの埋入時期は
抜歯後即時(抜歯と同時)
抜歯後早期(抜歯4~8週後)
抜歯後待時(抜歯12~16週後)
成熟側埋入(抜歯6か月以上)
に分けられることは以前にもご説明しました。
当院のインプラント治療では抜歯後4週間程度で行う抜歯後早期埋入(ealry placement)で行われる
頻度が髙いのですが、症例によっては即時埋入で行われることもあります。
この抜歯後即時埋入が最初に報告されてからすでに20年以上経過しております(Lazzara RJ 1989)。
それにもかかわらず、私の場合今でも適応症例を十分に見極めて行っています。
利点も多い術式ではありますが、抜歯することに伴う顎堤吸収という生理的な現象は避けて通れないためです。
特に上顎前歯部などでは顎堤吸収により重大な審美的障害を引き起こす可能性もあるからです。
<抜歯と同時にインプラントを埋入する抜歯後即時埋入の特徴としては>
①インプラントの周囲の硬・軟組織の形態を保存できる
②適正なサイズやデザインのインプラントを用いて、インプラントの周囲組織の変化、悪影響を避け
るために骨補填材料を使用することにより、外科的な侵襲を最小限に抑えられる
③テクニック的にややチャレンジング
<抜歯後治癒期間を待ってインプラントを埋入する抜歯後待時埋入の特徴としては>
①インプラント埋入にあたり、必要な処置を抜歯の際に行うことができる
②硬・軟組織の造成を多めに行うことで、術後に生じる退縮を許容できる
③テクニック的にチャレンジングな要素は少ない
事などでしょうか。
これらを踏まえて、
当院では抜歯後即時埋入の基準を以下のように設けております。
①抜歯時に必要な硬・軟組織量がある場合は、抜歯後即時埋入を検討する
②インプラントと骨が結合するための十分な骨量はあっても、抜歯による軟組織の形態変化が予測
される場合は、基本的には早期埋入を行い、手術回数を減らす場合のみ、軟組織の造成を併用
した抜歯後即時埋入を検討する
③インプラントと骨が結合するための十分な骨量が存在しない場合は、抜歯後即時埋入は行わ
ない
の3点です。
また、抜歯後即時埋入を行う際には、
・対合歯(噛みあう歯)の咬頭が、インプラントの上部構造のどの部位に噛みこむかを確認する
(この違いにより埋入する位置の自由度が異なる)
・当たり前ですがフルラフサーフェイスのインプラントを使用する(抜歯窩からの血液保持能力
が高まり、抜歯窩の良好な治癒を促す)
・抜歯窩の径より、必ず小さいインプラント径を選択し、残存骨に咬み込むように埋入する
・ギャップが残るように埋入し、抜歯窩の治癒をインプラントが阻害しないように埋入する
などを原則として行っております。
当院では随時「インプラント無料カウンセリング」を行っております。1歯から全歯欠損まで全ての症例に対応しており、また短期間での治療(スピードインプラント)、骨造成処置、審美部位の治療などあらゆるインプラント治療を積極的に行っております。インプラント治療をお考えの方は是非ご相談下さい。メールでのお問い合わせも受け付けております(callback@takagi-dent.netまで)。
院長 髙木謙一(ICOI国際口腔インプラント専門医学会米国認定医・同日本支部役員)