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TOPNEW INFO 最新のお知らせ > インプラント~臼歯部における二次手術~

2013.06.19 : インプラント~臼歯部における二次手術~

インプラントの二次手術とは、2回法インプラントシステムにおいて、一次手術で顎骨内に埋入されたインプラント体
の上部にアバットメントとよばれる装置を連結する外科処置のことをいいます。
 その目的は補綴治療を開始するためにインプラント体の粘膜貫通部を形成することです。
 一般的には一次手術後に下顎で3か月、上顎で6ヶ月以上経過したのちに行われますが、当院ではオッセオスピード
インプラントを使用することで期間を短縮することができます。
 二次手術では、貫通部の形成の他にも貫通部周囲の軟組織に対するマネージメントを考慮する必要があります。
具体的には、非可動性粘膜の保護や獲得により、上部構造周囲の軟組織形態の維持や改善をはかることが可能で
あり、最終的な上部構造にも大きな影響を与えます。そのため、インプラント治療においては重要な処置の一つといえます。
 本日右下6部に2回法でインプラント手術をした方の二次手術がありましたので今回は臼歯部における二次手術に
ついてご説明します。
 
臼歯部においては、口腔前庭が浅いために角化粘膜の幅が狭いことが多いのが特徴であります。
 臼歯部では前歯部よりも精密な審美性は要求されないものの、軟組織の安定性や機能性が重要となります。
二次手術では創面の閉鎖を達成し、厚く幅のある角化付着粘膜を形成します。そのため、臼歯部での二次手術において
角化付着粘膜と遊離粘膜の境界を考慮して手術を行います。
 理想的にはインプラント周囲に幅4mm程度の角化付着粘膜が存在すれば、口腔内環境に十分耐えうる機能の獲得が可能
となります。その機能性を得るには、インプラント体周囲組織にも天然歯に類似した生物学的幅径を形成させることがインプラント
の保護にもつながり重要となります。そのため、軟組織の切除などによる侵襲は最小限にとどめ、万一、十分な角化付着粘膜
が獲得できず軟組織の安定性を欠く場合には、遊離粘膜移植および結合組織移植などを行います。
 二次手術の際に、インプラント体上部は軟組織により被覆されているため、埋入位置の確認ができない場合が多いのですが、
その場合には一次手術で使用したサージカルガイドプレートを再度使用してインプラント体の位置を決定することにより、軟組織の
損傷を最小限にすることができます。インプラント周囲組織に問題がない場合には、基本的に切開をインプラント埋入部位直上に
行いその位置を確認します。複数本埋入した場合や軟組織の厚みが足りない場合には、切開を口蓋側に行い粘膜骨膜弁を唇側
に移動することにより、角化付着粘膜の厚みを獲得することができます。また、歯間乳頭を形成するために、隣在歯の歯肉を温存
した切開法やパンチブレード(歯肉粘膜穿孔器;カバースクリュー上の軟組織のみを切除する円筒状の刃物)を用いることもあります。
 
 パンチブレード<BIOPSY PUNCH (株)カイ インダストリーズ>
カバースクリューが確認できない場合には、埋入部位に一直線に切開を加えます。また、角化粘膜の厚みが十分に存在する場合
には侵襲を抑えるためパンチブレードを使用して、カバースクリューの粘膜骨膜を切除します。前者の方法は、後者と比較して侵襲が
大きくなる欠点があります。後者の方法は比較的侵襲が少なく施行可能であり術後の粘膜が早く治癒します(ただし、幅が十分に
ない場合に用いると角化歯肉を減らしてしまうので注意が必要です)。

以下は当院での選択基準となります。
<二次手術法の選択基準>
歯槽堤の角化歯肉幅                 二次手術法
8mm以上                       パンチアウト法
4mm以上                       歯槽頂切開法
1mm以上                       歯肉弁根尖側移動術
0mm以上                       遊離歯肉移植

 インプラント周囲角化組織の必要性については賛否両論とされておりますが、私はこれまでの経験上絶対に必要だと考えております。
その必要性として
         ・可動性粘膜は機械的刺激に弱い
         ・頬粘膜の動きがインプラント辺縁軟組織に波及する
         ・インプラントと周囲組織との結合が天然歯と比較して脆弱
         ・インプラント周囲組織の対プラーク抵抗性が天然歯と比較して弱い
などが挙げられます。
 インプラント体上部が確認された後、インプラント体のプラットフォーム周囲に新生骨が覆っているような場合は除去します。
 そして、必要な高さのアバットメントを選択するため、角化粘膜の厚みを計測します。
 治癒後に適切な状態の角化粘膜が得られ、軟組織がヒーリングアバットメントを被覆しないように十分な高さがあり、さらに対合歯
と接触しない高さのものを選択します。
 万一大きな粘膜弁を形成した場合には、インプラント周囲の粘膜が収縮しやすくなるため、縫合する場合には、アバットメント周囲に
緊密に縫合するようにしております。パンチブレードによる方法では基本的に縫合は行いません。
 ヒーリングアバットメントとインプラント体の確実な適合度合いを確認するため、術後にデンタルエックス線写真を撮影します。
 万一不適合が生じた場合には、インプラント体周囲に感染を生じることがあるため、除去して再度装着します。
 ただしこれらアバットメントの取り外しは一度顎骨内に埋入されていたものを外界に露出させる行為ですので、その都度必ず細菌が
侵入してきます。それにより骨の防御反応として骨が吸収する訳です。
 二次手術後、ヒーリングアバットメント周囲にはプラークが付着しやすため、ブラッシング、含嗽などを行い、口腔内を清潔に保ちます。

 そして、軟組織が安定した形態に落ち着くまで十分期間をおき、その後に印象採得を行います。
 二回法インプラントは、二次手術時に軟組織形態の修正がある程度できる利点があります。
 当院では随時インプラント無料カウンセリングを行っておりますので是非お気軽にご相談下さい。

          院長 髙木謙一(ICOI国際口腔インプラント専門医学会米国認定医・同日本支部役員)



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