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TOPNEW INFO 最新のお知らせ > ブリッジからインプラントへ

2013.11.05 : ブリッジからインプラントへ

院長の髙木です。
本日も1件インプラントの手術がありました。

通常の治療を行うユニットの奥に行くと・・・

「個別のインプラント専用手術室」があります。普段当院にご通院されている方で「奥の部屋は何をするところ
だろう・・?」なんて思っている方もいらっしゃるのではないでしょうか・・?

「インプラント手術はチームワーク力が大切です。」手術件数が多いため、術前の滅菌、器具出し、患者様の誘導
など最近とてもスムースになりました。
下顎第一大臼歯欠損部に対する1本埋入でしたが、もともとこの欠損部分にはブリッジ治療が施されていました。
しかし、ブリッジの土台となっていた歯の1本が外れていた状態で、頻繁に歯ぐきが腫れるとの訴えがありました。
幸いにも土台の歯はまだリカバリーできる状態でしたが、もう一度ブリッジにするには予後に不安が残ると予想され
ました。患者様もブリッジでは間も磨き辛いため、インプラント治療を希望されました。
本日のオペでは骨質がやや軟らかかったため「アダプテーションテクニック」で埋入しました。
「アダプテーションテクニック」とは骨質が軟らかい場合に、埋入のための形成窩(ドリルの穴)を小さ目に開けて
その形成窩を圧力によって押し広げることによりインプラント体が咬み込む周囲の骨を硬くする方法をいいます。
インプラントの初期固定は術者の経験に左右されるものです。
通法に従って手術を進めていっても規定のトルクで十分な初期固定が得られるとは限らないからです。
骨の再生を促す力は弱すぎても強すぎてもダメですのでその都度症例に合わせて臨機応変な対応と低侵襲で
繊細な技術が要求されてきます。
それでも現在のラフサーフェイスのインプラントでは初期固定が不十分でも少し長めに期間を置けば骨と結合する
のですが、とはいえやはり適度な初期固定と十分な血液供給を両立させる技術は大切だと考えています。

それでは本題です。ブリッジの生存率がインプラントに比較して低いのはなぜなのでしょうか・・?
ブリッジといっても「神経が残っている歯のブリッジ」と「神経がない歯のブリッジ」とでさらに違いが生じてきます。
神経がなくなった歯は、脆くなり、さほど強力な咬合力でなくても破折してしまうことがあります。
歯が破折したがために残せなくなり、抜歯になるというケースは非常に多いのです。
神経がない、すなわち痛みも感じないので虫歯が進行しやすくもなります。
元気な木はたとえ強く蹴ったりしても折れたりしませんが、枯れた木では折れてしまう可能性が大きいということと似ています。
神経のない歯は血液の供給もなく乾燥した状態なのです。そこにさらに負担をかけるのがブリッジです。

神経がない歯のブリッジでは、1本の歯の虫歯が進んでもブリッジはすぐには外れてきません。
他の土台の歯でがんばってくっついているからです。
そのため虫歯が相当進行してブリッジが外れてきたときには「残すのはムリ」すなわち「抜歯」となってしまうことが多いのです。
例えば1本歯を喪失したときのブリッジの場合土台となる歯は2本となり、3本分の被せ物が作製されます。
すなわち土台の歯には通常より1.5倍もの力が加わることになります。
もちろん、噛み合わせに問題がなく長年にわたり良好に経過することもありますが、とくに多くの歯を失っているようなケースに
無理に少ない土台で連結してしまうと経時的に噛む力に耐えきれなくなることは容易に予測されます。
また、土台の歯が歯周病になっていたら、噛む力に耐えきれないこともあります。
さらには、天然の歯と比べ、被せ物には当然「境目」ができるため、予後は技術力にも左右されてしまいます。
また、どんな素材で作製されるのかというのも重要といえるでしょう。技術力の高い歯科技工士が良質な素材で時間をかけて
作製すれば保険適応にはなりません。保険適応のブリッジの金属材料は1種類だけしかありません。より良い材料がどんどん
出てきているにも関わらず日本の歯科保険制度は昔のままでこういったことにまったく対応していません。

最近では「歯を削るのは嫌です」という患者様はとっても多くなったと感じています。当たり前ですよね。
歯を削った結果、歯がダメになってしまったことを患者さんご自身がどこかで感じられているからではないでしょうか?
下顎の奥歯はブリッジでは最もよく行われる治療です。
特に下顎第一大臼歯は虫歯になりやすく、神経を取ることも多く、最終的に抜歯になることが多い歯です。
そして欠損したこの部位がブリッジになった場合、さらに欠損が拡大しやすくなるリスクが増します。
ブリッジが一概に悪い治療とはいえませんが、リスクが多いことは事実です。実際科学的にブリッジの予後のデータと
して8~9年でダメになるとある訳ですから。
ではインプラントはダメにならないかというと、そうではありませんが、歯を削ったり、他の歯に過重な負担を与えたりしないという
点からブリッジより被害は少ないですよね。インプラントの利点として「よく噛める」、「審美的」など色々と挙げられますが、最大の
魅力は「他の歯に負担をかけない」、「被害が少ないこと」でしょう。失った歯を回復したいがために健康な歯を削ったり、負担を
かける必要がなくなったのですからね。
保険適応のブリッジであれば価格も安く、早く仕上がり、入れ歯のように取り外しもないなどの手軽なことが理由で、即決でブリッジ
を選択する人は少なくありません。
最近の世界の傾向として歯を失ったところに歯をつくる治療法としてはまずインプラントが第一に挙げられてきます。
それに対し日本では科学的データの裏付けのあるインプラントをマスコミが悪いところばかりを取り上げたことにより、国民の不安
が募り、欠損部分の治療からインプラントは除外して過去のようにブリッジか入れ歯の中から選択する・・なんてことに本当になった
ら何だかとても悲しい国だと感じてしまうのですが・・・
もちろんインプラントは絶対的ではありませんし、インプラントの適応でないケースも存在します。
しかし欠損部の治療に対して現在のところ総合的にはインプラントは大変優れた治療であると考えています。
そして何よりも重要なことは健康な歯の維持です。現在は「歯が悪くならないよう歯科医院にいく」から「歯をもっときれいにしたいか
ら歯科医院にいく」という時代に変わってきています。
歯科医院をもっと身近な存在として活用して下さい。
                       院長 髙木謙一

                    



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