院長の髙木です。前回「オーラルフレイル」についてご説明しました。
今回は歯科医院での低栄養のチェックについてです。
そもそも「低栄養」とは、タンパク質とエネルギーの失調障害といいます。
タンパク質が不足すると筋肉が落ち、足腰も弱くなり、家に閉じこもるようになりがちです。
疲労しやすくなり、脳の機能も低下していきます。早期に気がつき食生活を改善すれば、
衰弱ひいては要介護に陥るのが防げることもあります。
低栄養では体重が減少する、皮膚炎を起こしやすくなる、感染しやすくなる、食欲が低下する
、歩行が困難になる、疲労しやすくなる、口が渇くなど・・・さまざまな障害がでやすくなります。
低栄養をお口の観察で見つけることも可能な場合があります。
噛み合わせが悪い(咬合不全)と、将来的に低栄養になるリスクが高まります。
まず、お口の中が汚れていると、不快感があり、食事をおいしく感じられなくなり、
食欲不振などになりやすくなります。舌の汚れ(舌苔)も同様なことがいえます。とくに舌の
奥の舌苔は、舌の動きが悪く、食事を送り込んで飲みこむことが困難になっていることも
あります。さらに、水分不足や服用中の薬の副作用などで口腔乾燥を生じていれば、食事
がおいしくなくなり摂取量が減っていることもあります。
また歯を喪失していたり、義歯が合わないことで咀嚼や嚥下がうまくいかず、体重減少などを
もたらすこともあります。
低栄養からの回避のため、口腔内を清潔に保つ、口をよくゆすぐ、義歯などできちんと噛み
合わせを回復することはとても重要なことなのです。