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TOPNEW INFO 最新のお知らせ > 世田谷区健康づくり推進委員会「受動喫煙防止対策専門部会」

2019.10.22 : 世田谷区健康づくり推進委員会「受動喫煙防止対策専門部会」

院長の髙木です。
昨日世田谷区健康づくり推進委員会「受動喫煙防止対策専門部会」の会議に出席してまいりました。
昨年は「禁煙支援・健康教育専門部会」という名称で年3回実施されましたが、今年も東京都玉川歯科医師会より委員として推薦していただきました。

大学教授をはじめ、世田谷区医師会、玉川医師会、世田谷区歯科医師会、世田谷薬剤師会、玉川砧薬剤師会、そして私が所属しております
東京都玉川歯科医師会より各1名の外部委員と、世田谷区保健所長などの庁内委員の方々、世田谷区保健所の事務局の方々の十数名で構成されている部会です。

世田谷区役所庁議室で19:00より開始でしたので、いつもより少し早目に診療を終わらせました。

遅い時間ですので夜間入口から入ります。

医師会の禁煙認定医の呼吸器内科の先生や、循環器内科で喫煙に造詣が深い先生方などが多く、世田谷区保健所健康企画課の会議ですので、「肝が据わった!?」私でも結構緊張します。真剣に会議に臨みます。
昨日は今年第1回目の会議でした。
この専門部会の趣旨は{「区」は、「人」に着目した東京都受動喫煙防止条例に則り、受動喫煙による健康影響を受けやすい未成年者や妊産婦、患者や従業員等については、特に配慮することが重要であると考え、受動喫煙対策を推進していくことを基本的な考え方としています。この考えに基づき、喫煙する人としない人、双方が喫煙や受動喫煙による健康影響について正しい知識と理解を深め、互いに相手を思いやる行動をとることにより「望まない受動喫煙」の防止が図られるよう、専門的な見地から意見交換を行う}といったものです。
主な検討事項としましては
1)たばこの害(加熱式たばこも含む)に関する正しい知識の普及啓発に関すること
2)医療機関等と相互に連携した禁煙支援の取組みに関すること
3)学校(小学校・中学校・高校・大学)での教育や普及啓発に関すること
4)妊産婦への普及啓発、本人・家族への禁煙支援に関すること
などです。
アメリカでは電子たばこに関する調査から22の州で6月から8月の間に193件の肺疾患の報告があり、そのうち1名が死亡していることが報告され一騒動起きているにも関わらず、日本ではコンビニエンスストアなどで加熱式たばこが平然と販売されているといった、喫煙に関する法則が大分遅れているのが現状です。ただし、この度東京都受動喫煙防止条例ができました。2020年4月から全面施行される条例ですが、まぁ、オリンピックに向けて急いで力を注いでいる活動の一つですね。
規制の対象となる施設は以下の類型に区分されます。
・第一種施設
学校・病院・児童福祉施設、行政機関の庁舎など(2019年7月1日から屋内の規制が適用・2019年9月1日から屋外の規制が適用)
・第二種施設
第一種施設及び喫煙目的施設以外の多数の人が利用する施設。宿泊施設、飲食店、劇場、百貨店、体育館、バスなど(2020年4月1日から適用)
・喫煙目的施設
喫煙可能な場所で、たばこ販売店や公衆喫煙所など(2020年4月1日から規制が適用)

自由が丘の喫煙エリア
7月に世田谷区では受動喫煙相談コールセンターが開設されました。令和元年7月1日~10月15日までの相談事例として、「マンションの下階の民家から、昼夜問わずたばこの煙が換気孔を通じて部屋に入ってくる」「マンションの下階にオフィスがあり、屋外に灰皿を設置し、喫煙している」などすでに59件の問い合わせがあったそうです。現時点では、法令違反の通報・苦情は0件です。これから増えてくるでしょう。

区で作製された「禁煙」シール。小さく「加熱式たばこも含みます」と記載されています。
また、世田谷区民意識調査で喫煙者は平成21年~令和元年5月までで20歳以上の成人で16.1%から12.7%と21.1%減、20歳以上の男性で23.6%から21.0%と11.1%減、20歳以上の女性では9.8%から6.9%と29.6%減と、20歳以上の女性は10年で3割近く減っています。

また妊婦の喫煙も重要視されています。妊婦がたばこを吸うと、一酸化炭素やニコチン、発がん物質などの有害物質が胎盤を通して赤ちゃんに蓄積していきます。それにより流産、低出生体重児、最悪な例では、新生児死亡、胎児死亡なども起きています。
赤ちゃんが部屋の中のたばこの煙を吸うと、乳幼児突然死症候群(SIDS)の危険性が高まります。それまで何の問題もなく、元気だった赤ちゃんが突然死亡する病気です。妊婦自身の喫煙や、周囲の喫煙により、かかりやすくなることが明らかです。平成29年には77名もの赤ちゃんがSIDSで亡くなっており、乳幼児の死亡原因の4位となっています。
親の喫煙場所と子どもの受動喫煙による影響で、たばこを吸わない家庭の子どもの尿中のニコチン量を1とした場合、ベランダの外で窓も閉めても2倍、ベランダの外で窓を開けていたら2.4倍、換気扇下で3.2倍、室内で窓を開けていても10.3倍、そして自由な喫煙はなんと15.1倍というデーターも報告されています。
その他、喫煙者の毛髪や衣類、ソファなどに付着して残留する化学物質を吸入する「三次喫煙(残留受動喫煙)」への対策も求められる時代になりました。サードハンド・スモークと呼ばれるもので、たばこの煙に含まれるガス状の有害物質が、服などにしみこんだり、呼気に含まれるため、それを吸い込んだ人が害を受けるというものです。喫煙後、呼気中に含まれるガス状物質濃度は、喫煙前に戻るまでに、約45分かかるとわれており(呼出煙)、ある産婦人科病院では、喫煙後45分間は院内への立ち入り禁止、およびマスクの着用を義務づけているそうです。

世田谷区では禁煙支援リーフレットを作製しています。口腔への影響も載せており、とても詳しく解説されています。
昨日の会議では私からは以下のようなお話をさせていただきました。
「喫煙は歯科的には「口腔がん」の最大のリスクファクターになり、データーによりばらつきはあるものの、喫煙者の口腔がん発生率は非喫煙者に比べ約7倍も高く、死亡率は約4倍も高いという報告があります。今年2月にタレントの堀ちえみさんがステージ4の舌がんを公表されたのは記憶に新しいことで、口腔がんは全がんの1%で希少がんの部類に入りますが、近年増加傾向にあります。年間約6000人がかかり、約3000人もの方が死亡されています。その最大のリスクファクターが喫煙です。

右側舌がん症例(独立行政法人国立病院機構栃木病院(現栃木医療センター)口腔外科勤務時代の自験例)
口腔がんには前癌病変(悪性化する可能性がある病変)として白板症がよく知られております。白板症は40歳以降で発症しやすく女性よりも男性が多いことから男性の喫煙率が高いことが考えられます。口腔がんで最も多い口腔扁平上皮がんの15~60%は白板症に伴っていたとの報告もあり、この白板症は「禁煙により消失する」ことも珍しくないので、今後さらなる啓発活動が必要だと思われます。」

右側舌白板症症例(慶應義塾大学病院歯科・口腔外科勤務時代の自験例)

今月10月31日(木)午後14:30~16:00 北沢タウンホールで区内の飲食店・宿泊施設・事業所等の管理者向けに定員200名で「受動喫煙防止対策講習会」が開催されますので是非ご参加下さい。
今年度もあと2回専門部会が開催されますので、微力ながら尽力いたします。



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